平成22年第2回臨時会代表質問
2010/4/23
私は、民主党川崎市議団を代表し、本臨時議会に提案された議案第76号「殿町3丁目地区中核施設用地の取得について」質問いたします。
殿町3丁目地区整備については、方針策定から経過を辿り、その間、財団法人実験動物中央研究所施設整備費の補助金を国が交付決定するなど、慶應義塾大学先端医療開発特区プロジェクトと実験動物中央研究所、および本市との医療開発、「(仮称)再生医療・新薬開発共同研究センター」の整備を発端に我が国のライフサイエンス分野の拠点として、大きな役割を担うことが期待され、注目が集まることと考えます。そこで、中核施設用地の取得について何点か伺います。
《 質問1 》
初めに、土地取得の期日について伺います。当初、示された先行土地利用エリアに関するスケジュールでは、平成21年10月頃、補正予算(債務負担行為)成立予定であったものが、12月議会、3月予算議会を経て、新年度予算成立後1カ月もたたない期間で、臨時議会に議案として提案されたことについては、疑問を抱かざるをえません。予算関連議案として第1回定例会で審議するべきではなかったかと考えますが、この間の経緯について明確な答弁を求めます。
答弁1
殿町3丁目地区につきましては、本年10月の羽田空港の再拡張・国際化の時期を捉えた先導的な土地利用の推進を図り、臨海部の発展を先導する地区として、環境、ライフサイエンス分野の研究開発機能等の集積により、早期の拠点形成に向けた取組みを進めております。
このような中、財団法人実験動物中央研究所が整備いたします「(仮称)再生医療・新薬開発共同研究センター」につきましては、国の補助金も活用していることから、平成23年3月末までに施設を整備することとしております。
また、殿町3丁目地区の独立行政法人都市再生機構による暫定貸付が本年3月に終了したこと、及び土地区画整理事業の諸手続きが完了したことから、この度、不動産を買い入れるものでございます。
なお、財産条例におきましては、予定価格8千万円以上の不動産の買い入れで、1件1万平方メートル以上の土地につきましては、議会の議決に付さなければならないことが規定されておりますことから、本臨時会において議案を提出させていただいたものでございます。
《 質問2 》
次に、「(仮称)再生医療・新薬開発共同センター」について、土地を貸し付け建物は同研究センターが整備し管理するスキームが示されましたが、借地料などの設定についての考え方と、具体的な借地料、借地権の年数、更新もありうるのか伺います。
答弁2
本センターの整備にあたりましては、本市が都市再生機構から用地を取得し、実験動物中央研究所に貸付け ることとしており、借地借家法における事業用借地権設定契約を予定しております。
また、賃料につきましては、適正な価格を設定するために、不動産 鑑定を実施するとともに、川崎市不動産評価委員会による審査の結果、月額142万円でございます。
なお、当財団の事業が環境、ライフサイエンス分 野の研究開発拠点形成を図るという本市の施策に合致することなどを総合的に判断し支援も検討してまいりたいと存じます。
また、貸付期間につきまし ては20年間を予定しておりまして、その後の扱いにつきましても、再度の契約を妨げないことを考えてまいりたいと存じます。
《 質問3 》
次に、第2段階整備基本計画の「(仮称)産学公民連携研究センター」について、施設整備は、本市が公募により選定した民間業者へ定期借地として貸し付け、施設運営は、環境総合研究所および(仮称)健康安全研究センターに係る床を賃借し、整備するとともに、共用施設の会議室やホール、ラウンジに係る床を民間業者から賃借し整備するという、簡単にいえば、本市が土地を取得し、民間業者に貸し付け、民間業者の建物を本市が一部借り受けるという、市民にとって非常に分かりにくい考え方ですが、この基本スキームを選んだメリットは何か、また、収支の概算予測を伺います。民間業者の公募に当たっての考え方についても伺っておきます。
答弁3
まず、事業手法についてでございますが、
本センターにつきましては、「環境総合研究所」、 「(仮称)健康安全研究センター」など本市の研究機関をはじめ、先端的な研究開発を行う企業・大学等が立地する複合的な施設でございます。
羽田空 港の再拡張・国際化を機に、産学公民が連携し、環境、ライフサイエンス分野の拠点形成に向けて、迅速な事業化が図られること、施設整備に民間資金を活用す ることにより資金の平準化が図られること、民間のネットワークを活用することにより企業・大学等の研究機能の立地が促進されること、研究のテーマに応じた
柔軟な施設運営が図られることなどから、このたびの事業の枠組みとしたものでございます。
また、収支の概算予測でございますが、事業者の選定にあ たり、提案内容を審査する委員会において事業計画や事業収支などを十分に精査してまいりたいと存じます。
次に、民間事業者の公募にあたっての考え 方についてでございますが、本市の施策との整合性が図られた事業計画、事業の継続性、施設の運営・維持管理方法、事業者の事業実績、賃料などの審査項目を 設け、適切に事業者を審査し決定してまいりたいと考えております。
《 質問4 》
次に、B地区を含めて、先行土地利用エリアについては、用途地域の変更と地区計画のなかで建築物等の用途の制限をかけています。この目的と具体的な成果について伺います。用途地域を変更と用途の制限をかけることによって、不動産の公示価格と実勢価格である時価にどのように影響するのか伺います。
答弁4
殿町3丁目地区につきましては、平成20年9月に策定いたしました「殿町3丁目地区整備方針」におい て、羽田空港再拡張・国際化のポテンシャルを活かし臨海部の活性化を先導する拠点の形成を目指しており、工業専用地域等から準工業地域へ用途変更するとと もに、地区計画により建築物等の用途の制限を行っております。
こうしたことから、環境、ライフサイエンス分野の研究開発施設の集積が図られること が可能となっており、拠点形成に向けて、今後、研究開発・業務・交流・賑わい等の機能形成が適切に誘導できるものと考えております。
一般的に工業 専用地域は、準工業地域に比べて、建築物の用途が制限されておりますが、不動産の価格につきましては、用途地域の変更や建築物の用途規制のみで決まるもの ではなく、土地の規模・形状、道路等の基盤整備状況、交通など諸条件を考慮することにより算出されるものと考えております。
《 質問5 》
今回の不動産の購入については、平米単価17万6900円とのことです。URがいすゞ自動車から購入した当時の平米単価との比較について伺います。また、近傍地域における基準地の標準価格の比較についても伺います。
答弁5
この用地につきましては、平成13年に都市基盤整備公団がいすゞ自動車株式会社から取得したものでござ いまして、同公団から事業継承した独立行政法人都市再生機構は当時の売買価格について公表していないと伺っております。
次に、近傍における準工業 地域の標準地価格につきましては、国土交通省の地価公示によりますと、川崎区日ノ出町1丁目では、平成13年度は1平方メートルあたり28万9千円、平成 21年度は1平方メートルあたり23万1千円でございます。
《 質問6 》
当初、2ヘクタール購入予定とのことでしたが、今回約1.3ヘクタールとなった理由と今後の0.7ヘクタールの購入予定について、さらに、他に先行土地エリアを含む殿町3丁目地区内に土地の購入の予定はあるのか伺います。
答弁6
殿町3丁目地区における中核施設ゾーンにつきましては、環境、ライフサイエンス分野の先端的な研究開発 を行なう中核施設の整備区域を約2ヘクタールとして設定したものでございます。
このゾーンのうち、「(仮称)再生医療・新薬開発共同研究セン ター」及び、「(仮称)産学公民連携研究センター」の両施設について事業が進捗したことから、整備に必要な用地約1.3ヘクタールを今回取得するものでご ざいます。
中核施設ゾーンの第3段階整備につきましては、先行して整備する第1段階、第2段階の研究開発施設と連携した環境、ライフサイエンス分 野に係る研究開発施設等の立地を目指して取組んでいるところでございまして、今後、進捗状況に合わせ、事業手法について検討してまいりたいと存じます。
《 質問7 》
不動産の購入については、副市長を会長とする不動産評価委員会で議論がされ、内部委員だけで価格の決定がなされております。また、審議の過程も一切非公開とのことであります。URとの不動産売買において、価格については時価を基本に検討するとの「紳士協定」に基づいた交渉がなされたと仄聞しています。
平米単価が17万6900円と決定された経過と理由、さらに約23億円にものぼる公費が投入される巨大な買い物です。厳しい財政事情の中、少しでも低価格で購入をするためにどのような交渉をおこなってきたのか、伺っておきます。
答弁7
適正な価格を設定するために、不動産鑑定を実施するとともに、川崎市不動産評価委員会による審査を経 て、価格の決定を行ったものでございまして、この価格について、独立行政法人都市再生機構に提示し、合意に達したものでございます。
《 質問8 》
次に、本来、羽田空港の再拡張・国際化のポテンシャルに対応する交流拠点を形成するには、羽田連絡道路整備が大前提であるべきと考えますが、計画の進捗が大幅に遅れている現状を踏まえ、今回の土地取得をどのような位置づけとするのか、羽田連絡道路整備をどのように進めていくのか伺います。
答弁8
羽田連絡道路につきましては、国、東京都、本市など関係機関で構成される「京浜臨海部基盤施設検討会」 において、ルート・構造の絞込みに向けた検討を進めているところでございまして、これまで上流側、中央、下流側の3つのルートで検討が進められておりま す。
一方、殿町3丁目地区につきましては、これらの検討を踏まえ、平成20年9月に策定した「殿町3丁目地区整備方針」に基づき、連絡道路の支障 にならないエリアについて先行的に土地利用を進めるものでございます。本議案における中核施設につきましては、このエリアにおいて、研究開発機能や臨空関
連産業等の拠点形成を早期に図る上で、地区を先導する施設と位置づけ整備を進めるものでございます。
また、連絡道路につきましては、首都圏全体の 国際競争力の強化や臨海部全体の機能を一層高めることから、本市といたしましても、国や空港周辺自治体と連携し、整備促進に向けて、積極的に取り組んでま いりたいと考えております。