平成20年第5回定例会一般質問(質問・答弁書)
2008/12/24
12月15日(月)に第5回一般質問で以下の3点につきまして質問を行いました。
1. 川崎病院と井田病院の看護師確保策について
2. 新百合ヶ丘駅周辺の整備及び混雑緩和について
3. 徘徊高齢者支援事業について
1.川崎病院と井田病院の看護師確保策について
川崎市の直営病院である川崎病院と井田病院についてこれからの看護師確保策について伺ってまいります。
《 質問1 》
今、医療現場においては、医療技術の進歩、患者の高齢化、重症化、平均在院日数の短縮化等に伴う、看護師業務の複雑多様化、業務密度の高度化による業務内 容の変化と業務量の激増によって、健康破壊やバーンアウトが後を絶たない状況にあり、川崎市立病院においても、同様であると仄聞しております。
看護師不足は医師不足と同様に、患者さんの医療・看護に影響を及ぼすだけではなく、診療報酬にも多大な影響を与えます。
そこで、具体的には本市の直営病院である川崎と井田病院の看護師確保として、今年度はどんな対策を講じたのか病院局長に伺います。
また、来年度の看護師確保の状況及び分かる範囲で結構ですから、近隣の看護師さんの確保状況についても伺います。
答弁1
看護師確保対策といたしましては、合同就職説明会や病院見学会の回数を増やし、PRの強化に努めると共に、全国の看護師養成学校への訪問校数につきまし ても、昨年度の71校から120校に大幅に増やし、看護師養成学校との良好な関係の構築に努めたところでございます。また、今年度は、主要な路線バスのほ
か、新たにJR・私鉄各線の車両内へもポスターの掲出を行うとともに、看護師募集専用のホームページを新たに作成し、インターネットや携帯サイト上に公開 するなど、臨時職員の確保も含めた対策の強化を図ったところでございます。
また、看護師にとって勤務先を決めるための重要な選択要素のひとつである研修の充実につきましても、今年度より、局が主体となって合同研修を実施すると ともに、民間組織やNPO法人などを活用しながら、新人から管理職まで、個々のキャリアプランの形成に資する研修体系の構築に努めているところでございま す。
さらに、離職防止も看護師確保の一環として捉え、院内保育所の整備など職場環境の向上を図っているところでございます。
次に、来年度の看護師確保の状況についてでございますが、今年度は、これまで看護師採用試験を8月と11月の2回実施し、来年4月までの補充必要数役 100名に対し、現時点では8割程度が確保できたところでございますが、今後の辞退なども勘案し、来年2月に、再度、採用試験を実施する予定でございま す。
次に、近隣の看護師確保の状況でございますが、神奈川県立の病院につきましては、現時点で30名程度が不足し、同様に横浜市立の病院や東京都立の病院なども、現在、必要数の確保には至っていない状況にあると伺っております。
《 質問2 》
看護師確保には本市も含めて、どこの病院も大変苦労されている状況が分かりましたし、来年度についてもまだ足りていないという状況もわかりました。
最近では患者の高齢化、重症化に加え全体的にケアに手がかかる患者が急増しており、それに見合う看護が必要になっているにも関わらず看護師不足から、その体制がとれず患者への影響も出ているとのことです。大変、大きな問題だと思います。
川崎市には看護師の養成機関として、「看護短大」があり、毎年80人程度の卒業生が輩出されると思いますが、病院局になってから毎年何人ぐらいの、新人の卒業生が川崎と井田両病院に就職されているのでしょうか。
答弁2
川崎病院及び井田病院への採用者数につきましては、看護短大の学長をはじめ、教授等関係職員の御理解もいただきまして、平成18年度は22名、19年度及び20年度はいずれも31名でございました。
しかしながら、来年度につきましては、現在のところ10名に満たない見通しとなっております。
《 質問3 》
病院局になってから毎年、看護短大の卒業生の就職が増えていたのに、来年度の卒業生はどうしてこんなに減ってしまったのでしょうか。大変疑問に思います。
今年の9人というのが前年並の30人であれば来年度の補充必要数に届いているわけであります。
税金で運営している公立大学の学生は、基本的には卒業したら私の気持ち的には、川崎市の公立病院に就職していただきたいと思っていますが、この状況は川崎、井田の病院にとって如何なものでしょうか。
そこで、所管の健康福祉局長にお聞きしたいのですが、看護短大では学生の今回の就職状況をどのように考えるのか伺います。
早期に導入していくべきと考えますが教育長のお考えを伺います。
答弁3
卒業生の進路につきましては、市立大学という特性から、より多くの学生が、市内の医療機関に就職することも重要であると考えております。このため、市立 病院での実習などにより、市内医療機関への看護師の充実が図られるよう努めているところでございまして、ここ数年は、50パーセントを超える卒業生が市内
の医療機関に就職しているところでございます。
今年度につきましては、現時点では、卒業予定76名で進路が決定している66名の学生のうち、半数の33名が、市内の医療機関に就職を予定しているところでございます。
今後につきましては、市内医療機関への就職者数の増加を目指すと共に、ひとりでも多くの学生が市立病院に就職できるよう努めて参りたいと存じます。
《 質問4 》
自治体病院を守ることは、市民の安全・安心の医療提供に欠かせないことであります。看護短大の学生は、川崎、井田の両病院で多くの実習を受け、多くの看 護師さんが仕事の合間や時間を割いて指導している訳ですから、もう少し看護短大と病院が連携をとって、学生が両病院に就職できるよう考えた方が良いと思い ますが見解を伺います。
答弁4
学生が就職先を決定するに当たりましては、学生のもつ価値観や看護師としてのキャリアの選択肢の多様化により、専門性や教育体制といったものを総合的に勘案し、選択するものと考えております。
しかしながら、看護短期大学におきましては、看護教育の一環として基礎看護学や成人看護学などの実習を、川崎病院や井田病院で行っており、学生が喜びを 実感でき、患者とともに考える心の通い合う看護をめざすなど、就職先の選択肢の一つとなるよう取り組んでいるところでございます。
今後におきましても、引き続き、両病院の看護師の方々の御協力を得ながら、よりよい実習となるよう連携を深めてまいりたいと存じます。
《 質問5 》
健康福祉局長に見解を伺いましたが、病院側にも問題がある、つまり川崎と井田病院の看護師研修生に対する現場の看護師の対応のまずさがあったとも仄聞し ています、先ほど質問の中で申し上げたように、忙しい仕事の中で自分の時間を割いて指導しているという状況のせいかもしれませんが、病院としても学生が就 職したいという環境づくりの工夫も必要かと思います。
視点を変えて、健康福祉局が所管している看護師等修学資金貸与事業の目的及びその事業の概要について伺います。
また、看護短大の学生では何人の方がその貸与を受けているのでしょうか。
さらに、第5条の区分で「将来民間の医療施設において看護師として勤務しようとする者」として資金貸与を受けている方が、市立病院に勤務する場合は、その額を全額返さなければいけないと聞いていますが、その理由はどうしてなのか伺います。
答弁5
はじめに、事業の目的でございますが、将来、市立病院及び市内の民間の医療施設に看護師又は准看護師として勤務しようとするものに対し、修学資金を貸与することにより、看護師等の確保・充足を図ることを目的としております。
次に、事業の概要でございますが、貸与額は、看護師課程は月額32,000円、准看護師課程は月額17,000円となっております。また、この修学資金 につきましては返還免除規定がございまして、それぞれの医療施設に貸与を受けた期間と同じ期間勤務することにより、返還免除となります。
次に、看護短期大学の学生につきましては、現在、8名の方が、修学資金を受けております。
次に、将来、民間の医療施設において看護師等として勤務しようとする者で修学資金を受けている方につきましては、川崎市看護師等修学資金貸与条例の規定 により、養成施設を卒業した日から1ヶ月以内に民間の医療施設において看護業務に従事しなかったときは、返還することとされておりますので、市立病院に勤
務する場合は、修学資金を返還することとなっております。
《 質問6 》
今後は、第5条の区分変更を認め、市立病院に勤務する場合の返還義務を取り除く、また市内の深刻な看護師不足を補っていくために、総枠の増額はできないのか伺います。
答弁6
川崎市看護師等修学資金貸与条例につきましては、制定当時は、将来、市立病院に看護師等として勤務しようとする者に対して貸与するものでございました が、広く市内の看護師等の確保・充足を図る観点から、市内の民間の医療施設において勤務しようとする者に対しても貸与するよう改正した経緯がございます。
この改正時に、第5条に、将来、市立病院において看護師等として勤務しようとする者と、将来、民間の医療施設において看護師等として勤務しようとする者の区分を設け、さらに第13条の返還規定につきましても、それぞれの区分に従い改正したものでございます。
看護師等が不足している状況などから、返還義務の変更等につきましては、今後、他都市の状況等を考慮しながら検討してまいりたいと存じます。
【 要望 】
いずれにしても、看護師確保は自治体病院の継続にとって、何とか看護師が公立病院そして川崎市の病院に集まるよう、議会そして行政も協力しあいながら対 応していくべきと思っておりますので、修学金制度の条例変更や増額、看護師研修へのNPO法人などの活用など、送り出す方も、受け入れる方も、安定確保に 繋がるような具体的方策を検討していただき、「安心できる医療体制」の構築を要望いたします。
2.新百合ヶ丘駅周辺の整備及び混雑緩和について
新百合丘駅周辺の交通渋滞については、この駅を利用する市民にとって大きな悩みになっている事は周知の事実であります。
私もこの議会で何度か混雑緩和策について伺ってきましたし、同じ麻生区選出の他の議員も幾度も取り上げてきています。
昨年度は、昭和音大の開校やアートセンターのオープンなど「芸術のまち・あさお」にふさわしい施設の整備が進んできたと思いますが、その中心にあり川崎 北部の玄関口を謳う新百合丘駅の周辺が交通混雑の名所であるというのは本市のイメージも悪くしてしまうのではないでしょうか。
一方では、長年の懸案でもありました尻手黒川線の世田谷町田線への接続が平成22年3月開通と、まだ1年3ヵ月ありますが見えてきていて、この開通により交通の流れが良い方に改善されていくことも期待されています。
《 質問1 》
そこで新百合丘駅周辺の、交通混雑の現状認識とこれからの都市計画道路の進捗状況ならびに混雑緩和にどのように寄与していくのか等の認識を建設局長に伺います。
答弁1(決算審査特別委員会)
はじめに、駅周辺の交通混雑の現状についてでございますが、平成17年度道路交通センサスにおいて、世田谷町田線の新百合ヶ丘駅周辺の平日の混雑度は1.68であり、市内平均の混雑度1.09に対して高い値となっております。
また、休日においては、混雑時の平均旅行速度が市内の中でも特に低くなっており、車の集中による交通混雑が課題であると認識しております。
次に、新百合ヶ丘駅周辺における都市計画道路の進捗状況についてでございますが、尻手黒川線Ⅲ期につきましては、用地取得を完了し、現在小田急線を跨ぐ橋梁の架設工事を進めており、平成21年度末に世田谷町田線への接続を予定しております。
また、世田谷町田線についてでございますが、新百合ヶ丘駅入口交差点から登戸方向680メートルの区間につきましては、平成21年度の完成を目指して工事を進めております。
また、新百合ヶ丘駅入口交差点から麻生警察署前交差点までの延長401メートルの区間につきましては、ほぼ用地が取得できましたことから、平成21年度より工事に着手してまいります。
また、麻生警察署前交差点から尻手黒川線と接続する延長1,322メートルの区間につきましては、現在、用地取得率が、約67パーセントとなっており、平成21年度の尻手黒川線との接続に向け、先行して交差部分の整備を進めてまいります。
次に、混雑緩和などの整備効果についてでございますが、尻手黒川線Ⅲ期の整備及び、世田谷町田線の拡幅整備により、駅周辺に集中する通過交通が分散するとともに、交通の円滑化が図られ、新百合ヶ丘駅周辺道路の混雑緩和に寄与するものと考えております。
《 質問2 》
次に、いま伺った都市計画道路の整備が完了した後も、まだ交通混雑の緩和がされない場合、どのような取り組みをしていくのかまちづくり局長に伺います。
答弁2
新百合ヶ丘駅周辺における交通対策についての御質問でございますが、尻手黒川線や世田谷町田線などの主要幹線道路が整備されることにより、これまで、駅 周辺道路を通過していた交通の分散化が図られるなど、新百合ヶ丘駅周辺の交通環境は大きく変化することが想定されますので、これらの主要幹線道路の完成の
後、交通環境の変化の実態を把握するため、交通流動調査を行い、この結果に基づき、適切な交通環境対策に取り組んでまいりたいと考えております。
【 要望 】
駅周辺の交通混雑の緩和は、周辺に在住の方や周辺で事業を営む方も含め多くの市民、駅利用者から求められていることであります、決して遅れることの無いように、むしろ機会をみて前倒しで進めるぐらいの意気込みで取り組んで頂きたいと要望します。
また、新百合丘駅改札について、新宿寄りに改札口が増設され、コンコースも広くなり、利便性と安全性が向上しました。駅舎全体のリニューアル工事は今年 度中まで続くということですが、さらに小田原寄りの改札口を新設して頂きたいという声が市民の方々から寄せられています、これは麻生区総合庁舎や21
ホール、昭和音大のホールへの近道になり、さらに新百合丘駅の利便性が増し、より川崎の北の玄関口にふさわしい駅になっていくと考えますので、機会をみて 本市としても小田急電鉄へのアプローチをしていただきたいと要望させていただきます。
3.徘徊高齢者支援事業について
先日健康福祉局から第4期川崎市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画(素案)が示されました、「川崎らしい福祉文化を育む地域社会の構築」に向けた計画という事であります。
その中で示されている、五つの具体的な方向性の一つである「認知症高齢者等の生活支援」では、徘徊高齢者への迅速な対応として「徘徊高齢者SOSネットワーク事業の充実」が挙げられています。
また高齢者福祉のしおりを見てみますと、徘徊高齢者支援事業として徘徊高齢者発見システム事業というのもあることが分かります。
《 質問1 》
最初に、徘徊高齢者SOSネットワーク事業の現在の各区の登録者数、現状の関係機関、どのように充実させていくのか、課題は何か伺います。
答弁1(一般質問)
徘徊高齢者SOSネットワーク事業についての御質問でございますが、本事業につきましては、地域の支援を得て、徘徊高齢者を早期に発見できるように関係 機構との支援体制を構築し、徘徊高齢者の安全の確保と家族の支援を行うものでございまして、平成20年11月末現在の登録者数は、川崎区84名、幸区49
名、中原区31名、高津区37名、宮前区58名、多摩区45名、麻生区64名、合計368名となっております。
現状の関係機関といたしましては、各区の取り組みによって異なりますが、区役所高齢者支援課、地域包括支援センター、社会福祉協議会、介護支援専門員連絡会、家族会、警察署、消防署などとなっております。
課題といたしましては、徘徊予防や地域の見守り機能の向上等に向けた市民への普及啓発と、地域資源のさらなる活用による緊急連絡体制及び支援体制の拡充と考えているところでございます。
今後におきましても、引き続き、ネットワーク参加機関との連携を図りながら、徘徊高齢者への支援の充実に努めてまいりたいと存じます。
《 質問2 》
次に、徘徊高齢者発見システムの概要、各区の利用状況について伺います。
答弁2
本事業につきましては、家族や関係期間が徘徊高齢者の現在位置を早期に把握することができるように、GSPによる位置情報の検索を行うことができる機器を用いて、徘徊の恐れのある高齢者の安全の確保と家族への支援を行うものでございます。
次に、平成20年11月末現在の利用者数でございますが、川崎区4名、幸区5名、中原区11名、高津区12名、宮前区4名、多摩区5名、麻生区8名、合計49名となっております。
《 質問3 》
徘徊高齢者SOSネットワーク事業の登録者368人のうち徘徊高齢者発見システムを利用している人は49人(13.3%)とのことでありました。
これは、利用料が所得の多寡に関係なく一律に月額2,000円となっているのも原因ではないかと考えますが、利用料を所得に応じた段階的な負担料にできないか伺います。
答弁3
徘徊高齢者発見システム事業の利用料についての御質問でございますが、今後、ますます、高齢者が進展する中、認知症高齢者の増加も見込まれることから、現在行っている本字業のさらなる普及啓発が必要となると考えているところでございます。
今後につきましては、より多くの方々に利用していただけるよう受益者負担あり方について検討を行い、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるまちづくりを目指してまいりたいと存じます。
【 要望 】
徘徊高齢者SOSネットワーク事業について、模擬訓練を実施している区もあると仄聞しました、この事業を充実させていくために実際に体験してみるという のは大切ことではないでしょうか、是非一度は各区で実施して頂きたいと思います。また、地元の消防団も関係機関として参加している自治体もあるようですの で検討をお願いします。
徘徊高齢者発見システムは非常に有効な仕組みだと考えます、認知症高齢者の多くの人が利用しやすい料金体系に変えて頂きたいと要望します。