平成20年9月議会報告 <国会への意見書について>
2008/10/15
<はじめに>
9月定例会は9月4日から開会しました。16日、17日の二日間にわたり、各会派の代表質問が行われ、18日から30日までは決算審査特別委員会(監査委員になっている2名の議員を除く、市議会議員62名全員が委員となります)が設置され、決算認定に関わる質疑が行われました。
そして、最終日の10月7日に議案である前年度の一般会計をはじめとする、特別会計、事業会計の決算認定と条例等の改正・制定の裁決が行われました。
その後、今回レポートします国等に対する意見書案の採決が行われました。その結果「後期高齢者医療制度の廃止を求める意見書」だけが、自民党・公明党・神奈川ネットの3会派の反対で否決されました。提出された7つの意見書案の各会派の賛否状況は以下のとおりです。
我々、民主党川崎市議団は欠陥だらけの後期高齢者医療制度の抜本的な見直しを主張していきます。
平成20年9月議会で提出された意見書と各会派の賛成・反対状況一覧
○:賛成 ×:反対
| No | 意見書題名 | 会派名 | ||||||
|
民 主 党 |
自 民 党 |
公 明 党 |
共 産 党 |
ネ ッ ト |
無 所 属 |
結 果 |
||
|
1 |
地方消費者行政の整備充実を求める 意見書 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 可決 |
|
2 |
米不正転売事件の解明と再発防止を求める意見書 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 可決 |
| 3 | 出産育児一時金の拡充と妊婦健康診査の助成拡大を求める意見書 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 可決 |
| 4 | 太陽光発電システムのさらなる普及促進を求める意見書 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 可決 |
| 5 | 「統合うつ対策」についての意見書 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 可決 |
| 6 | 薬害肝炎被害者救済を求める意見書 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 可決 |
| 7 | 後期高齢者医療制度の廃止を求める意見書 | ○ | × | × | ○ | × | ○ | 否決 |
| 会派所属人数 | 18 | 18 | 14 | 10 | 2 | 1 | ||
<地方消費者行政の整備充実を求める意見書の概要>
近年、中国産冷凍ギョウザへの薬物混入事件、一連の食品偽装表示事件、悪質住宅リフォーム問題等による多くの消費者被害が後を絶たない。地方自治体が運営する消費生活センター等は、消費者にとって身近で頼りになる被害者救済機関となっている。
しかし、各地方自治体の財政状況は依然として厳しく、消費者のニーズに応える十分な体制を整備・維持していくことは、もはや困難な状況となっている。国は、消費者の視点で政策全般を監視する新組織として、消費者庁の設置を目指しているが、真に消費者利益が守られるためには、地方自治体における消費者行政の強化充実が不可欠である。
1. 地方自治体における消費生活センターの設置、業務及び機能等を法的に位置付けること。
2. 地方消費者行政の体制、人員及び予算等を抜本的に拡充・強化するための財源措置を講ずること。
<事故米不正転売事件の解明と再発防止を求める意見書の概要>
農薬やカビ毒に汚染された米が、食用として不正に転売され、何も知らない消費者の口に入ってしまったことが発覚した。国民に食の安全に対する不信と不安が広がっており、事故米を使用した関係者に多大の混乱と甚大な被害をもたらしている。
よって、国におかれては、事故米の流通経路の全容の解明と関連製品の安全分析結果を速やかに公表し、事故米とは知らずに購入した被害企業等に対して万全の支援措置を講ずるとともに、調査結果を踏まえた効果的な米流通システムの構築とそのための検査・監視体制の強化を早急に図るよう強く要望する。
<出産育児一時金の拡充と妊婦健康診査の助成拡大を求める意見書の概要>
出生率が低下し、少子化が進行する状況において、妊娠中も安心して過ごし、出産できる環境整備を進めることが求められている。出産育児一時金については、平成18年10月から現行の35万円に増額されたが、来年1月からはさらに38万円に増額される予定である。
しかし、東京圏では50万円近い出産費用がかかるばかりか、中には入院2か月前に20万円から30万円の予約金を納めなければならない病院等もあるのが実情である。一方、妊婦健康診査については、安全な出産までに14回程度の受診が望ましいが、1回当たり5,000円から10,000円の費用がかかり、若年夫婦にとって経済的負担が重くなっている。
よって、国におかれては、出産育児一時金の一層の拡充と過度な健診とならないよう配慮しながら、妊婦健康診査に係る助成措置の拡大を実現するよう強く要望する。
<太陽光発電システムのさらなる普及促進を求める意見書の概要>
太陽光発電については、天然資源に乏しい我が国において広く普及が可能なエネルギーとして注目を集め、その導入量は2006年末で170.9万kW であり、ドイツ、米国等とともに世界をリードしてきた。 しかし、国内での導入量が一転して前年比マイナスの状況に陥ってしまった。
よって、国におかれては、太陽光発電システムのさらなる普及促進に向け、特段の措置を講ぜられるよう強く要望する。
<「統合うつ対策」についての意見書の概要>
うつ病を含む気分障害の患者はこの10年間で43万人から92万人と倍増し、我が国におけるうつ病の障害有病率は6.3%と、いわば国民病となっている。よって、国におかれては、すべてのうつ病患者が安心して治療を受け社会復帰ができるよう、次の事項について特段の措置を講ぜられるよう強く要望する。
1. うつ病に関する理解を促進させることで、うつ病の早期発見・早期治療を推進する。
2. うつ病患者の受診率を欧米並みの5割以上に引き上げる。
3. 精神療法の拡充・強化により、薬物療法との併用体制を実現すること。
4. 寛解(2週間症状がない状態)までの期間にわたる労災の休業補償等を配慮すること。
5. うつ病再発率の低下を図るため、勤労者、家事労働者の社会復帰プログラムを整備・拡大すること。
<薬害肝炎被害者救済を求める意見書の概要>
薬害肝炎被害者救済法が本年1月11日、可決成立し、カルテや血液製剤の投薬証明がある場合には、投与の時期に関係なく給付金が支払われ、救済されることになった。しかし、カルテが不明で投与が証明できない肝炎の薬害被害者、血友病等の先天性の疾患で投与された患者が救済の対象から排除されており、約350万人と推計されているウイルス性肝炎患者のうち実際に救済されるのは1,000人程度ともいわれる。
よって、薬害肝炎問題の全面解決に向け、薬害被害者が安心して暮らせるように、薬害再発防止策や統合的な肝炎対策をより一層推進するよう強く要望する。
<後期高齢者医療制度の廃止を求める意見書の概要>
本年4月1日から75歳以上の高齢者等を対象とした「後期高齢者医療制度」(その後「長寿医療制度」に名称変更)が始まった。この制度は、財政的観点から医療費を削ることに重点を置き、高齢者にとって十分な医療を受けにくくなることが強く懸念されている。また、低所得者層において、従来よりも保険料負担が高くなった例もあり、様々な問題点がある。
よって、最終的に年齢や雇用形態での差異をなくし、医療保険料を国民が公平に負担し、平等に医療サービスを受けることのできる新たな制度設計を行うため、次の事項の早急な実施について特段の措置を講ぜられるよう強く要望するものである。
1. 平成21年4月1日に後期高齢者医療制度(高齢者の医療の確保に関する法律)を廃止し、喫緊の措置として、従来の老人医療制度(老人保健法)に戻すこと。
2. 速やかに保険料からの天引きによる徴収(特別徴収)を廃止する。
3. 被扶養者からの保険料徴収は後期高齢者医療制度廃止までの間凍結。
4. 上記の措置を講ずるに当たっては、地方公共団体及び保険者の負担をできる限り軽減するよう配慮するとともに、国民の間に混乱を生じることのないよう、内容の周知等万全の措置を講ずること。