平成20年3月議会報告<国会への意見書について>
2008/3/1
<はじめに>
3月定例会は2月19日から開会しました、この時期には国会も召集され、皆様が大変ご存じの道路特定財源の一般財源化、
を含め、我々民主党が主張する、ガソリン料金等に上乗せされている暫定税率の廃止か年度内存続が可決されていくのかという
状況でありました。
そうした関係により議会初日から、道路特定財源の廃止(民主党、共産党、神奈川ネット、無所属が提案)を求める意見書と
存続(自民党、公明党が提案)を求める意見書のどちらかを国に提出するかの採決があり、結果は下の表に示すように
賛成・反対が同数となり12月の議会に引き続き今回も議長裁決となる事態となりました。
<採決の流れ>
今回の議会では、下記の8本の意見書が上程されました。 結果としては12本の意見書が国会に提出されることになりました。
ところで、川崎市議会は63人の議員で構成されています。 採決のときには議長は参加しませんので62人で採決となります。
賛成の議員が起立する形で行われるのですが、否決された1本の意見書は31人対31人となり最後に自民党所属の議長が判断するかたちとなりました。 これ は前回の12月議会で33年ぶりに行われた事につづき2度目の出来事です、民主党と自民党が18名づつ、同数での
第1会派という川崎市議会の緊張感の表れと伊藤ひさしは考えます。
平成20年3月議会で提出された意見書と各会派の賛成・反対状況一覧
○:賛成 ×:反対
| No | 意見書題名 | 会派名 | ||||||
|
民 主 党 |
自 民 党 |
公 明 党 |
共 産 党 |
ネ ッ ト |
無 所 属 |
結 果 |
||
|
1 |
道路特定財源関連法案の年度内成立に関する意見書 | × | ○ | ○ | × | × | × | 可決 |
| 2 | 道路特定財源関連法案の一般財源化及び道路関係諸税の暫定税率廃止等を求める意見書 | ○ | × | × | ○ | ○ | ○ | 否決 |
| 3 | 沖縄県駐留米兵による女子中学生暴行事件に抗議し、実効性のある再発防止を求める意見書 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 可決 |
| 4 | 地上デジタル放送の受信対策の推進を求める意見書 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 可決 |
| 5 | 中小企業底上げ対策の一層強化を求める意見書 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 可決 |
| 6 | 食の安全・安心を確保する体制強化を求める意見書 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 可決 |
| 7 | 戸籍電子化前に除籍された家族の名を新戸籍に記載することに関する意見書 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 可決 |
| 8 | アイヌ民族に関する総合的施策確率のための審議機関設置を求める意見書 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 可決 |
| 9 | 神奈川県警察職員公舎の建設に関する意見書 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 可決 |
| 10 | 正規雇用を増やす施策の充実を求める意見書 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 可決 |
| 11 | 介護労働者の待遇改善を求める意見書 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 可決 |
| 12 | 海上自衛隊艦艇と漁船との衝突事故に関する意見書 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 可決 |
| 会派所属人数 | 18 | 18 | 14 | 10 | 2 | 1 | ||
<道路特定財源関連法案の年度内成立に関する意見書の概要>
本市では、市民ニーズの高い道路事業を実施するに当たり、道路特定財源からの歳入のみでは賄えず、毎年多額の一般財源を投入しているのが現状であ る。このような中、道路特定財源の暫定税率等が廃止されると、本市の財政は大幅な歳入不足となり、市民生活に深刻な影響を及ぼすことが危惧される。道路特 定財源の暫定税率を維持するよう強く要望
<道路特定財源関連法案の一般財源化及び道路関係諸税の暫定税率廃止等を求める意見書の概要>
道路特定財源は、道路関係諸税の暫定税率は、長期間にわたり継続されてきた。
地方分権の観点からも、道路以外への歳出を認めない特定財源制度は廃止して一般財源化し、地方自治体がその使い道を判断できる自主財源とするべきである。
最近の燃料価格の高騰が他の様々な物価上昇の要因ともなっており、ますます厳しさを増している市民生活の現状を鑑みれば、道路整備のために基本税率に上乗 せしている道路関係諸税の暫定税率廃止により、燃料価格を引き下げ、物価の上昇を抑えることも重要である。
地方自治体に十分な自主財源を保障した上で、道路特定財源の一般財源化及び道路関係諸税の暫定税率廃止等を行うことを強く求める
<沖縄県駐留米兵による女子中学生暴行事件に抗議し、実効性のある再発防止を求める意見書の概要>
沖縄県で2月11日に女子中学生暴行事件があった。
過去にも米兵によるわいせつ事件や強盗致傷事件等が幾度となく発生 米軍は綱紀粛正などを約束してきたが事件は繰り返された。
女子中学生暴行事件に対し厳重に抗議するとともに、日米地位協定の運用の改善等と、次の事項を強く要望する。
1、今回の女子中学生暴行事件における被害者及び家族への謝罪並びに完全な補償を行うこと。
2、沖縄県民の目に見える形で、米軍人の綱紀粛正及び人権教育を徹底的に行うなど実効性のある具体的な再発防止策について万全を期すこと。
<地上デジタル放送の受信対策の推進を求める意見書 の概要>
地上デジタル放送は、2011年7月の地上アナログ放送終了期限に向けて、最終段階の取組が行われている。
7次にわたる関係者の行動計画により、普及計画の目標に沿って進んでいるものの、今後3年余の間で、完全移行を実現することは難事業と考える。
とりわけ、移行に伴う視聴者の負担問題については、経済的弱者への支援策が求められている。
1、視聴者側の受信環境整備に伴う負担軽減のための方策を強力に進めること。また、経済的弱者への支援策について、早急に内容を検討・決定すること。
2、今後、地上デジタル放送に関する相談が飛躍的に増加することが見込まれるため、「地域相談・対策センター」等を各地域ごとに整備し、アウトリーチの サービス体制を整備すること。
3、デジタル中継局整備や難視聴地域の解消について、地方自治体の過度の負担とならないよう、放送事業者等との調整を図るとともに、地方自治体の負担が生 じる場合の支援策について新設も含め拡充すること。
4、都市受信障害については、各地域の実情を把握の上、良好な受信環境の整備を図り、情報格差が生じないように努めること。
<中小企業底上げ対策の一層強化を求める意見書 の概要>
中小企業を取り巻く経営環境は、オイルショック以来、原油・原材料価格が記録的な高騰となる一方で、親事業者への納入価格・公共事業体の落札価格は 低迷を続けるなど、「下請けいじめ」「低価格入札」が横行し、危機的状況にある。
国は中小企業に所要の緊急対策を指示したが、中小企業底上げに対して一段と踏み込んだ対策を講ずることが必要である。
1、中小企業向けの金融支援をトータルに行うため、中小企業資金繰り円滑化に向けた対策を早期に講ずること。
2、各省庁所管の下で、数多くある中小企業の窓口・相談体制を拡充すること。
3、公正な取引を実現するため、下請代金支払遅延等防止法を厳格に運用すること。
4、下請適正取引等のためのガイドラインを策定し、幅広く普及・啓発を実施すること。
<食の安全・安心を確保する体制強化を求める意見書 の概要>
昨年来、食に関する多くの憂慮すべき問題が起きている。
国は、平成15年に改正された食品安全基本法に加えて、消費者の安全を守る立場から、更なる食の安全・安心体制の確立が必要である。
1、食の安全・安心を脅かす事件における被害状況を早急に調査し、個々の事件の徹底的な原因究明を行うとともに、被害者に対する万全の対策を行うこと。
2、全国の消費者への情報提供を徹底させるなど、食の安全・安心を脅かす新たな被害の防止に全力を尽くすこと。
3、食の安全・安心に関する行政上の不備を徹底的に究明するとともに、輸入食品に対する検査体制を抜本的に改善するなど、食の安全を図るための総合的な施 策を行うこと。
4、我が国の食料自給率を抜本的に引き上げること。
<戸籍電子化前に除籍された家族の名を新戸籍に記載することに関する意見書 の概要>
戸籍電子化が全国の市町村で進められているが、戸籍電子化前の戸籍における筆頭者以外の除籍者については、移記しない扱いとなっている。
しかしながら、その移行が全国一斉に行われなかったことなどで、除籍者の記載が一律でない状況となている。
よって国におかれては、電子化された新戸籍に移記されていない除籍者について、新戸籍への記載が届出等により可能となるよう検討されることを強く要望す る。
<アイヌ民族に関する総合的施策確率のための審議機関設置を求める意見書の概要>
平静19年9月、国連において「先住民族の権利に関する国際連合宣言」が採択されたが、政府は、宣言における先住民族の定義に記述がないことを理由 に、わが国における先住民族がどの民族を指すか明らかにしていない。
アイヌの人々の先住性は歴史的事実であるので、これまで以上にアイヌの人々の人権が尊重され、その社会的・経済的地位の向上を図るための総合的な施策の確 立が望まれる。
よって国におかれては、「先住民族の権利に関する国際連合宣言」におけるアイヌ民族の位置づけについて検討を行うとともに、宣言に盛り込まれた権利を審議 する機関を設置されるよう強く要望する。
<神奈川県警察職員公舎の建設に関する意見書>
神奈川県は、平成20年3月末に閉校となる予定の神奈川県立川崎高等職業技術校の跡地に、神奈川県警察本部の職員公舎を建設することとしているが、 県におかれては、次の事項について特段の措置を講ぜられるよう強く要望する。
1、敷地内に、地域住民が集会所として利用できる場の確保に努めること。
2、敷地内に、法令に定められた基準を踏まえ、市民に親しまれる、できるだけ大きな地域開放型の公園整備に努めること。
3、建設計画や進捗状況の詳細等について、地域住民に対する情報提供に努めること。また、建設工事に伴う地域住民への影響に十分配慮すること。
4、近隣建物の日照に十分配慮した整備に努めること。
<正規雇用を増やす施策の充実を求める意見書>
パート・アルバイトをはじめとする非正規雇用者の数は、全国で1,700万人を超え、役員を除く雇用者の約3分の1となっている。「ネットカフェ難 民」と呼ばれる人たちや、「ワーキングプア」をいわれる世帯も急増しており、そのおおもとには、非正規雇用の増大があると指摘されている。
誰もが意欲を持って働ける社会の実現を目指し、働くものの視点に立った雇用の安定に資する見通しとなるよう慎重に対応することが求められてきている。
よって国におかれては、正規雇用を推進する施策を強化するとともに、就業形態にかかわらず労働に応じた処遇とする労働者派遣制度に改善し、非正規雇用者の 安定した雇用を図るよう強く要望するものである。
<介護労働者の待遇改善を求める意見書>
介護労働者は、人間の尊厳にかかわる崇高な仕事をしているにもかかわらず、低賃金、長時間労働など、その劣悪な労働環境から離職率も高いので、待遇 改善が待ったなしの課題となっている。
国におかれては、介護に携わる人たちが誇りと自信を持って仕事ができ、また安心して暮らせるよう、労働条件や福利厚生の向上に全力を挙げるとともに、次の 事項について特段の措置を講ぜられるよう強く要望する。
1、全労働者の平均を大きく下回っている給与水準の実態を職種や勤務形態ごとに把握し、低賃金の原因とその是正策を早急に検討すること。介護報酬の在り方 を見直し、利用者への負担増につながらないよう、緊急に介護報酬を改定して適切に措置すること。
2、昨年8月に示された「社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に関する基本的な指針」について、福祉・介護サービスを担う人材確保のため、労 働環境の整備やキャリアアップの仕組の構築など早急な取組を進め、福祉・介護現場における指針の実現を図ること。
3、小規模事業所などにおける職場定着のための取組支援や労働時間短縮のための事務負担軽減策、さらには、事業所の労働条件等労働環境に関する情報開示な ど介護労働者の待遇改善のための総合的な取組を進めること。
<海上自衛隊艦艇と漁船との衝突事故に関する意見書>
千葉県野島崎沖で海上自衛隊のイージス艦「あたご」とマグロはえ縄漁船「清徳丸」が衝突した。「清徳丸」は真っ二つに折れ、乗務員2人は、いまだ行 方がわからないという痛ましい事故となった。
20年前の、潜水艦「なだしお」の衝突事故など過去の教訓が生かされていない。
よって国におかれては、事故原因の徹底究明と防衛省の規律のゆるみ、危機管理体制を見直すため、次の事項について特段の措置を講ぜられるよう強く要望する ものである。
1、徹底した事故原因の究明を早期に行うこと。
2、防衛省、自衛隊の綱紀を粛正し、厳正な規律を取り戻すこと。
3、危機管理体制を抜本的に見直し、事故の再発防止に向け対策を講ずること。